アンケート調査の概要
熊本県医師会ホームページに公開されている病院の内、循環器内科もしくは循環器科を標榜されている106施設(クリニックや委医院は除く)にアンケ-ト表を配布。93施設(88%)から回答をいただき解析を行った。
今回は2018年のアンケート調査と異なり、医院、クリニックは除き、病院のみを対象としたアンケートとしている。
心臓超音波検査の件数は経年的に増加していることが分かります。
Mod Simpson法の施行割合は90%程度と2018年に比べて大きくは変っておりませんでした。
左房容積係数や両側E/e'を評価されている割合は2018年に比べて多くなっております。
大動脈弁狭窄症に対し、上位肋間や右胸壁アプローチを行っている病院の割合は30%未満でした。
近年注目されている低流量低圧較差大動脈弁狭窄症に関してですが、この名称をレポートに記載されている病院は30%程度であり、また鑑別に有用と言われるドブタミン負荷心エコー図検査を施行されている割合は10%未満でした。
心アミロイドーシスへの遭遇頻度ですが、熊本大学病院のみ突出して頻度が多いですが(1日に1件以上)、他の病院においても、約半数で、半年に一回以上は遭遇するため、決して珍しい疾患ではないことが分かります。
K-CHAPへの参加割合に関してですが、多施設共同心エコーミーティングの参加割合、熊本県統一心エコーマニュアルの保持率ともに40%程度です。低い割合ではありませんが、標準化のため、本活動の更なる広報が必要と考えられます。
今回のアンケート調査の結果から、
①拡張機能評価に関しては、以前に比べて多くの医療機関でガイドラインに沿って施行いただくようになっている。
②弁膜症評価に関しては、ガイドラインに即した評価は十分にはなされていない。
③多施設共同心エコーミーティング、熊本県統一心エコーマニュアル共に普及が進んでいるが十分でない
ということが分かりました。今後も引き続き本活動を継続し、広報を続けていくことで、エコー技術・知識の標準化・均てん化に努めていきたいと考えております。
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